皆さんはこんな話を聞いたことがあるでしょうか?
夏のマンションなどコンクリートの壁が日中の高温と日射を受け熱を溜め込んで
気温の下がった夜になってから壁から熱を放出するため室内の温度がなかなか下がらない。

果たしてなぜこんなことが起こるのか。
いろいろ調べてみました。


そもそも断熱とはその言葉の通り「熱を断つ」と書きますから、
断熱性は熱を伝えない、伝えにくい性能ということになります。
住宅において断熱材の役割は外部の暑さ寒さを室内に伝えない、逆に室内の暖かさ涼しさを外部に逃がさないことが重要であることは言うまでもありません。
「室内環境を快適に保つこと」が断熱材に求められる1番の性能ということになります。

ところで住宅の断熱材において
断熱性を数値で示す場合には「熱伝導率」がよく使われています。
熱の伝えやすさ、伝えにくさを表すときに最も一般的なものです。
「熱伝導率」は熱が物質の中を移動するスピードと言い換えてもいいかもしれません。
単位は (W/mk ) で数値が小さいほど熱を伝えにくくなります。(スピードが遅くなります。)
当然のことながら断熱材の熱は伝わりにくい方がいいのは当たり前のことです。


それ以外にも 「熱容量・比熱」という指標があるのをご存知でしょうか。
熱容量は物質の温度を1℃上昇させるために必要な熱量で比熱は単位質量あたりの熱容量のことを言います。単位は熱容量が (J/K) 比熱が (J/gK)
熱容量も比熱も数値が大きいほど温まりにくく、冷めにくいということになるのですが、
断熱材的に言うと物質がどれだけ熱を蓄えるかを表す数値と言ってもいいと思います。
この数値が大きいほど多くの熱を溜め込むことになります。 

冒頭でお話ししましたマンションのコンクリート壁はこの「熱容量・比熱」が大きいため
熱は高い方から低い方に移動しますから、壁内に蓄えられた熱は気温の下がった夕刻以降に室内外に放出されるというわけです。 (輻射熱)

ここでちょっと疑問?
「熱容量・比熱」が高いということはその物質自体は温まりにくいということで、
夏の場合、外の暑さが室内に影響する時間を遅くすることになります。
室外から室内への熱の移動が遅くなるということは熱伝導率的には熱は伝わりにくい。
と、言ってもいいものなのか?
壁は熱を溜めこみにくい方がいいように思うのですが、
「熱を溜めこみにくい>>温まりやすい」になってしまいます。
「熱が伝わりにくい」と「熱を溜め込みにくい」は両立は不可能?

そもそも「熱伝導率」と「熱容量・比熱」は根本的に全く違う考え方で同じ土俵で並べて考えること自体間違っているのでしょうか?

結局のところ結論が出ませんが、
断熱性能を考える場合は断熱材だけでなく壁や屋根の構造全体を考慮して
熱が伝わりにくく、溜め込みにくいものを考える必要があるようです。

で、いろいろ検討した結果ほぼ断熱構造は決まりました。
これについては後日の記事で。 
 

にほんブログ村 住まいブログ セルフビルド・ハーフビルドへ
にほんブログ村