版築(はんちく)は
古くは万里の長城がこの工法で作られたと言われるほど非常に歴史の古い土木技術です。



本来の版築は粘土質の土と石を主体に多少の混ぜ物をして作られたものを指しますが、
それだけでは強度的に心もとないので消石灰を混入することで固まりやすくすることにしました。
また断熱壁にするために大量の籾殻を入れましたので土だけでは固まらないと思い消石灰を使用してみました。
さらに凝固剤として水に対して15%の塩化マグネシウムを混入して使用しています。



土と消石灰(+骨材)の混合比はネットで色々探してみましたが、
具体的に書かれた情報が見つからず
こちらの研究論文を参考にさせていただきました。
 →「伝統技法を用いた版築壁の強度性状に及ぼす調合および施工要因の影響に関する研究 」

籾殻を混ぜた場合の配合についてはネットのどこを探しても見つかりませんので
自分なりに「このくらいでどうかな〜」という感覚でやってます。

動画で実際にやってみた混合割合は
土:約4kg
籾殻:約2kg
消石灰:約1kg(質量比で大体15%くらい)
これに15%の塩化マグネシウム水溶液を適量混ぜて練っています。

この配合だと籾殻がかなり多いので型枠の中で突き固めてもフワフワして締め固まる感じがしなかったので
3段目くらいから籾殻の量を少し減らして調整してみました。
最終的に籾殻は1〜1.5kgくらいの割合で使いやすくなりました。

1週間後に型枠を解体してみましたが、まだ硬化は不十分のようです。
消石灰は硬化にかなりの時間を要しますので、この段階では硬さの確認はできませんでしたが、
1ヶ月、2ヶ月と経過するうちに十分な硬さになりました。

最初不安に感じていた1、2段目の配合でも多少のもろさはあれど意外にしっかり固まりました。

今回は高さ50cmほどのほんの小さな壁での実験でしたので型枠にはあまり神経を使わずにできましたが、実際の家では2m以上の壁を作りたいと思っていますのでその場合は型枠をどうやって固定するかが 今後の課題です。