自分でわが家を作るということ

                      Self-build(セルフビルド)というもうひとつの選択                      目指すは自然素材で作る天然住宅

材料選び

なぜ日本の住宅の外壁はサイディングばかりなのか 後編

まだまだ建築途中ではありますが、これまで自宅の建築に携わってきたことで見えてきたこと、わかったことをお話ししようと思います。
あくまでも私見です。間違っていたらごめんなさい。

一般によく知られているハウスメーカーや工務店に住宅の建築を依頼すると大抵の場合、外壁はサイディングになります。 
ハウスメーカー(工務店)指定のサイディングの中から選ぶことになるはずです。
そのほとんど(70%くらい)が窯業系サイディングであることは前回の記事でお話ししました。

サイディング材は施工性が良いという特徴がありますので、
施工業者としてはこの材料を使いたいのは当然のこととして、
それ以外にもハウスメーカーや工務店が窯業系サイディングを勧めたがる理由があります。


それが火災対策です。

家を建てる場合、その家を建てる場所がどういう場所か(防火地域・準防火地域)によって
住宅各所の構造や使用する建材に一定の制限(法規制)がかかってきます。
どんな構造でも良いわけではなく、どんな材料を使っても良いわけではないのです。 

家を建てる場所が市街地の住宅密集地であれば 制限は厳しく、
家と家の間隔が離れた農山村地域であれば制限はゆるくなります。
もうだいたいお分かりかと思いますが、
災害時の被害が大きい地域は制限は厳しく逆は当然ゆるくなるわけです。 
住宅密集地では火事は簡単に隣家に燃え移ります。
それを防ぐために法律で規制がかけられているわけです。

特に隣家への延焼を防ぐために外壁は不燃材料でなければならない場合がほとんどです。
デザイン的に外壁に木材の板を使いたいと思っても市街地であったらほぼ使えません。

私は建築士ではありませんので建築基準法は詳しくありませんが、
自宅の設計をお願いしました建築士さんに何度も相談する中でいろいろできないことが多いことに気づかされました。
そうすると結局、外壁に関して手っ取り早いのは窯業系サイディングになってしまうんですね。
自然素材の素朴な外観にしたいと思ってもほとんどの場合それは使えないのです。 

詳しい内容を省いてかなり簡単にお話ししてしまいましたが、
家を建てる予定の場所がどんな場所(防火地域か準防火地域か)は
自治体ウェブサイトの都市計画情報関連のページに地図で示されている場合が多いですから、
気になる方は一度調べてみてください。 

また建築基準法の規定は複雑で素人にはなかなか理解しがたいものです。
上述しました規制についても様々な条件によって変わります。
例えば、平屋の家だとか、延べ床面積が100平方メートル未満だとか、3階建てだとか。

詳しくは建築士にご相談ください。。。と言うしかない。

なぜ日本の住宅の外壁はサイディングばかりなのか 前編

住宅建築においてサイディングとは外壁に使われる板状の建築材料のことを指します。
元は英語の siding 「下見板」から来ているようですね。 
日本でも下見張り (鎧張り)という工法は昔からありますので興味のある方は調べてみてください。

現在日本のサイディングは大きく分けて4つの種類があります。
1、窯業系
2、金属系
3、木質系
4、樹脂系

この中で広く一般的に使われているのが窯業系サイディングです。
ハウスメーカーが作る家の外壁はほとんどがこの窯業系サイディングと言ってもいいかもしれません。
窯業というくらいですから焼き固めて造られた材料だと思われますが、
サイディングメーカーのウェブサイトによるとセメント質と繊維質を主原料にして成形した 板状のものだと書かれています。
「主原料にして、、、」ということは何かわけの分からない他の物質も混ざっていそうな感じです。
見た感じでもコンクリートでもなくタイルでもなくレンガでもなく、
何とも言い表しがたい不思議な素材だということがわかります。 
サイディング材料がそもそもどんな物質でできているのかについては、いろいろ調べてみても詳しい成分表示までされているものは見つかりません。
ですので、この話はとりあえず置いといて次に進めます。 

窯業系サイディングにはこんないいことがあります。
1、燃えない、または燃えにくい
2、耐候性が高い
3、製品が均一
4、施工性がよい
などです。
このように完璧な材料です。
一見、非の打ち所がないように見えますね。

(4番目の施工性について、余談ですが、
施工性が良いことで作業が短時間で済みますから、その分工事費を安くしてもらえれば別ですが、 
そうでなければこれは施主としては何も関係ない項目です。
施工性が良いことは施工業者にとってのメリットです。
仕事が早く進むことは直接業者の収益につながりますからね。)


サイディングは板状の材料を何枚も突き合わせて壁にしていくわけですから必ず継ぎ目ができます。
この継ぎ目からの雨水の浸入を防ぐためにシーリング(コーキング)処理がされるわけですが、
このシーリング材の寿命がだいたい7〜10年と言われています。
また、窯業系サイディングの主原料の一つがセメント質ですので当然水を吸い込みます。
そのため材料の表面には防水のための塗装がされています。
この塗装の寿命が7〜8年と言われていますので、定期的に塗り替え工事が必要になります。

このように完璧に見える窯業系サイディングですが、その性能を維持するには定期的なメンテナンスが必要になります。

どんな物質でもいつかは必ず劣化しますから、定期的なメンテナンスは仕方ないとして、
それよりもこういう成分の不明な材料を処分することになった時にどうやって捨てたらいいんだろうと考えてしまいます。
燃えない、腐らない、分別できない、土に還らない。。。

。。。。埋め立てるしかない

こういうものは私は使いたくない。


というわけでタイトルの「なぜ、、」の答えまでたどりつけないまま
次回へつづく


 
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